細見知加 三家クリニック臨床心理士 ATR

BCTは、短い処理時間に色々なプロセスが働き、包括的にトラウマ処理を行うことができる技法であると感じております。様々な技法を組み合わせたというだけではなく、早くかつ安全に、という処理が可能になっているようです。

また、身体感覚を感じることが難しいクライエントさんにも、身体感覚をしっかりと見つけてもらえるパッケージもなされているところが今までにないものでした。身体感覚が希薄で導入が難しかったケースに関しても、まずは身体感覚の発見をしてもらうところから扱うという切り口や示唆を与えていただきました。クライエントさんに合った刺激強度で実施できるということが、大きな強みであるように感じます。 トラウマケアに身体感覚は必須である、ということはすでにわかっていたつもりではありますが、BCTを受けることでよりその実感を強く持つことができました。

また、おそらくトラウマ由来ではあるがご本人の主訴が身体症状のみである、といった身体感覚の固着症状に対しても、効果を発揮しています。変化がすぐに現れてくるので、実感として持っていただきやすいようです。その身体感覚の変化から気づきが生まれ、認知にも変容が起きてくるというケースもありました。 セラピスト自身でもセルフケアとして実施することで、身体感覚がどのように変化するのかというプロセスについて興味深く観察することができ、気づきを得ることができています。トラウマケアのみならず様々な場面で活用できる、今後の発展可能性も併せ持った技法であると感じます。